利用開始から1年で就労先が決まり、さらぽれを卒業することになりました。
同じ事業所でお世話になった訓練生の皆さんと、これからさらぽれを利用するかもしれない皆さんに、感謝と応援を込めて、「どうさらぽれを使うといいのか」について、少しだけ書いてみようと思います。
1. 就労が目的であって、他の訓練生と仲良くすることは、目的ではありません。
コミュニケーションって、本当に難しいと思います。障害の有無を問わず、苦手意識を持つ方は非常に多いはずです。
しかし、そもそも、この就労移行支援事業所というのは、友達作りをしに来る場所ではないのです。
あえて意味付けをするなら、『就労先での同僚とのコミュニケーションを円滑にする訓練』ということになると思います。もちろん、非常に大事なことです。ただ、まず一番に取り組むべき課題なのか、そもそもどうすれば解決できるのか、私には分かりませんでした。
仲良くなりたい、楽しく話をしたい、そうした気持ちを持つのは自然なことですが、相手となる他の訓練生も同じ思いでいるのかは分かりませんし、むしろ大小何らかの困難を抱えているから、さらぽれにたどり着いて訓練をしている人たちのはずです。仲良くなれるかどうかは、運次第です。
このことは利用開始当初から意識して行動していました。もし、こんな考えがなければ、みんなと仲良くしなければならない……なんて思い込みで、本当に取り組むべき課題にいつまでも着手できないでいたかもしれません。
感じの悪い接し方をしていたこともあったように自覚しています。こういう考え方でいたせいで、気を悪くされてしまった方には、ごめんなさい。卒業後はどうか仲良くしてやってください。
2. さらぽれでの業務を何故やらないといけないのか。
4か月間の基礎コースを終えると、事業所内部の様々な仕事が切り分けられて、業務として担当することになります。
「この業務をどうして自分がやらないといけないのか」、「やりたくありません」と言っている方もいらっしゃいました。私も似た思いを持ったことはありましたが、考え方を変えることで、意義のある経験を得られました。
所詮は訓練の一環であり、割り振られた業務をやらなかったとしても、事業所は回り続けます。しかし、その業務が「何のために」「誰のために」あるのかに目を向けると、事業所の職員さん、訓練生の皆さんが快適に過ごせるようになる、スムーズに作業が出来るようになることが分かってくるはずです。
基礎コースの「ビジネス基礎研修」で示される考え方は、すぐに利用・活用できるようになります。その業務の「顧客」は、職員・訓練生です。貢献は必ず、自分の利益となります。業務への向き合い方の正解は、それぞれにあると思います。
最後に自分の話です。
大学には浪人して入学できましたが、勉強についていけなかったり、研究室に馴染めなかったりで、結局卒業出来ませんでした。
仕方がないのですぐにフルタイムでアルバイトを始めましたが、ひどい遅刻癖が無くならず、結局うまくいかなくて辞めてしまいました。
この二つのトラウマの裏には、発達障害がありましたが、当時は特性や性格について自分では全く理解出来ていませんでした。
さらぽれに入らず、何かてきとうなアルバイトをして、通院をしていたとしても、障害が原因となって困難に直面しているのだと自覚出来る日は来なかったでしょう。
就労移行支援という仕組みを利用して、訓練時間を確保できたことで、自分をようやく理解できるようになりました。そして、今日に至ることが出来ました。人生をようやくスタート出来る、そんな喜びがあります。
お世話になりました。ありがとうございました。