昨年六月に横浜事業所に入所して約一年半、就職が決まりました。
私の場合、発症から、これまでの就職活動の中で自分の中で解決しないといけない一つの問題がありました。
それは「なんのために働くのか?」ということです。
私の障害は解離性健忘という、あまり耳慣れない障害です。過去のトラウマにより引き起こされる健忘という意味の障害名です。私の場合、過去の辛い体験を頭から振り払い思い出さないようにしてきた(逃げてきた)ことの反動として現れたようです。
今までの就労経験の中、私は誰よりも仕事に没頭し頑張ってきたといえる自信があります。ただそれは記憶からの逃走でもありました。仕事をしていれば余計なこと(過去)を考えずに済む。だから仕事に没頭してきたという側面が強いのです。
ですから、療養を経て就職活動を始めるとき「自分はこれから何のために働くのだろう?」ということが命題になりました。
これまでのように仕事に集中し、余計なことを考えずに仕事に没頭する。そうすることも多分できるでしょう、ただそうすると、やっと症状が現れなくなった解離性健忘の症状が再発しかねないからです。
では何のために働くのか?
それは給料もらうため、金のためでしょ?と答える人は多いと思います。でも自分は金のためと割り切って働くような器用なことをしようとしても長続きしない自分があります。
かといって正直な所、興味のある業界ややってみたい仕事がある訳ではありません。「何のために働けばいいのか」そんなことばかり考えながら就職活動をしていました。
それが今回就職が決まった企業での選考中実習のとき、今までの就労経験の中で「余計なことを考えたくないから仕事に没頭した」以外の理由で働く喜びを得ていたことを思い出しました。
それは仕事が終わった後にタバコを吸って、ほっとしながら「あぁ美味い。このために生きてるんだな」と思い、家に帰り湯船につかり「あぁ気持ちいい、この為に生きてるんだな」と思い、寝る前にビールを飲んで「あぁ美味いと思っていました。
思えば、色々な理由で仕事が中途半端になり全力が出し切れないものがあったときは、風呂もあまり気持ちよくなく、煙草もビールもあまり美味しく感じませんでした。
日々の仕事に全力を尽くせば気持ちいい風呂に入り美味しいタバコと酒を楽しめるのを思い出したのです。
ですので、今回決まった就労先では、誠に不純な動機ではありますが、風呂と煙草と酒を楽しむために仕事を頑張って行きたいと思います。
最後に就職活動が長引く中で支えてくれた、職員の皆さん、訓練生の皆さん、本当に有難う御座いました!