定常業務よもやま話 ~電話応対~
先月に引き続きブログを担当します、訓練生Mです。
さらぽれの訓練生が担当する定常業務。今月は私がブログ作成の他に担当している電話応対業務について、少しお話ししたいと思います。
さらぽれの電話応対はまず見習いからスタート。一定の練習期間を経たあとに、職員さんのOKをもらって、主担当として正式にデビューとなります。私の場合は見習い期間が緊急事態宣言に伴う在宅訓練と重なったので、本番を模したダミーの電話が職員さんから私のスマートフォンにかかってくる、という練習方法をとることになりました。
電話にはそこまで苦手意識もないし、なんとかなるだろうと思っていたのですが……。
「はい。さら就労塾下北沢 訓練生のMです。」
「お世話になっております、私、○○株式会社 △△部 □□課 ●●です。◆◆の件でお電話しました。」
?!
最初から難関にぶつかりました。
名乗りだけでも、社名○○、部署名△△、□□、名前●●と、情報は4つもあります。
それらがなんとか聞き取れたとしても、ペンの運びが情報量に追い付かないのです。
名乗りの部分を書き留めるのにやっとだったので、用件は記憶でカバーしたいところ。
「◎◎さんはいらっしゃいますか?」
あぁ、情報がまたひとつ増えてしまった……。
新しく一つ頭に入れたら、かろうじて覚えていたはずの用件はどこかへ抜け落ちていきました。
「ビジネスの電話応対はマルチタスクです。」
基礎コース時代のビジネス基礎研修が思い出されます。
電話応対では、
1.情報を聞きとる
2.復唱をする
3.メモを取る
4.相手に取り次ぐ
これら4つを正確にこなす必要がある、と教わりました。
その中で私は1.情報(特に人名)を聞き取る ことと 3.メモを取る ことが苦手なようです。そこで、職員さんにフィードバックもいただきながらいくつか工夫をしてみることに。ボールペンではなく鉛筆を使ってみたり、筆記体で書き取ってみたり……。試行錯誤する中で、以下の3つが功を奏しました。
・”To” ”From”と大きく書いたフォーマットを用意する。
→情報(人名)がごっちゃにならない。
・聞き取れなければ聞き返し、メモを取るスピードに合わせて情報を復唱する。
→相手には「しっかりメモを取っている」ことが伝わり、自分のペースも確保しやすいので、お互いに安心感が得られる。
・あえて最初からゆっくり話す。
→相手が自分のペースを理解してくれる。
ポイントは、自分の記憶力をあてにしないこと。記憶は緊張で全て飛んでしまうものとして、自分が確実にメモを取れるスペースと時間を確保しておくことです。
そうしておよそ2か月の練習期間を経て間もなくデビューという頃、職員さんがふとこんなことをおっしゃいました。
「相手も実はドキドキしながらかけているかもしれないから。」
……何気ない一言でしたが、はっとしました。
マルチタスクに気を取られ、自分のことばかり考えて当たり前のことをすっかり忘れていたけれど、ビジネスといえど相手も同じ人間、姿が見えないのは相手も同じなのですよね。
人と人とのコミュニケーションだと考えてみれば
「電話口の相手がよどみなく流ちょうに話すこと」
よりも
「電話口の相手が自分の話をしっかり受け取ってくれること」
のほうがずっと大切です。
そのことに気が付いたらふっと気持ちが楽になりました。
もしこのブログを読んでくださった方の中に
「さらぽれに見学申し込みの電話をかけたいけれど、緊張する……。」
という方がいたら、受話器の向こうにいるかもしれない訓練生Mを思い浮かべてみてください。すました声が聞こえてくるかもしれませんが、大丈夫です。心の中ではあなたと同じように、ドキドキしていますから!