下北沢事業所の職員はこんな人たち~Yさん編~
<はじめに>
こんにちは。訓練生のHです。
今回は前回のブログの続編ということで、訓練生のMさんと一緒に下北沢事業所の職員Yさんにインタビューをしました。もっと深く職員さんのことを知ってほしい!そんな思いが伝われば幸いです。以下、インタビューをまとめました。
<Yさんの印象に残っているキャリア>
さらぽれに就職するまでにたくさんのお仕事を経験なさってきたYさん。
その中でもYさんが24歳のとき、人生の転機になったお仕事のお話をして下さいました。
―――それまでの自分は好きなことばかりやって、何をしても中途半端。当時はバンドデビューを目指してとりあえず好きなことだけで食べていければいいかな、という自己中心的な考え方の人間でした……。
何をやっても上手くいかない自分にぶちあたって挫折をしてしまったYさん。
お世話になっていた人からの誘いでフィットネスクラブで働くことになりました。
しかし、不器用でなかなか上手くいかず葛藤の毎日。そんなとき、先輩からの言葉がYさんの心に響きました。
「お前はもう、不器用でいいから、とにかく親身になれ。それだけでいい。」
この言葉を聞いて気持ちが楽になって、そこから初めて心から他者のために頑張ろうと思えるようになりました。そういった気持ちで頑張っていると、人の役に立っているという実感も増えて、やりがいを仕事を通じで初めて実感できました。もっと人の役に立ちたいと思うようになり、紆余曲折ありましたが、さらぽれの求人を見つけて自分の価値観と合致するものがあったので、応募して採用という流れになりました。
<Yさんの働く上でのモットー>
Yさんのモットーはズバリ、「日々、人格の向上に努めること」。
―――これを思うきっかけになったのは前職の介護のときです。自分に対してあたりの強い苦手な先輩がいて、しんどいと思っていたのですが、その人を変えるのは難しいことなので、自分が成長しないといけないなと思ったとき、たまたま出会った本が原始仏教という本でした。その本に、人格の向上を生きる上での目的にしてはどうか、と書かれていたんです。
自分の心と戦っていることが多かったので、とてもしっくり来ました。
人格向上に努めれば、自分も周りも共に幸福になるのかな、と思って、さらぽれで訓練生の指導にあたる上でもすごく大切なことだという風に思っています。
では、Yさんが訓練生を支援するにあたり心がけていらっしゃることは何でしょうか?
―――情報収集のアンテナの感度を上げる、というのは必要だと感じていますね。何気ないことが支援につながったりするので、意識して視野を広げようとしています。これまで何気なく見ていたテレビ番組やネットの情報も「これは役に立つかな?」という視点で見るようになりました。
支援するうえで、喜びを感じるのはどんなときでしょう?
―――訓練生の精神的な成長を感じた時です。もちろん業務ができるようになった、ということも嬉しいですが、前向きな発言が増えた、とか、仕事に取り組む目つきが変わったなとか、人間的な成長が見られた時はすごく嬉しいです。
最後に、そんな「訓練生の人間的な成長」を感じた印象的なエピソードもお話ししてくださいました。
―――ある訓練生が職場実習に参加したときのことです。コミュニケーションに困難を抱えている方で、訓練中は分からないことがあっても自分から相談するのが難しく、フォローに時間がかかることもありました。でも、彼を訪問してみると実習先の方と阿吽の呼吸で業務をこなす様子が見られたんです。言葉がなくても、目線だけで通じ合えるような関係性が出来上がっていたんですね。驚きとともに嬉しさがありました。
そうして実習最終日、20人ほどの社員の方があたたかい拍手を送ってくださったんですが、拍手を浴びる彼の笑顔がとても印象に残っています。
嬉しそうな、照れくさそうな、心が満たされたような……。
実習を終えてからは周りの職員から見ても分かるくらい、仕事に対する姿勢が変化したんです。彼の中で人生の糧になるような経験だったのかなと、とても嬉しく感じました。
最近は何かと「コミュニケーション能力が大切」と言われますが、スキル以上に大切なものってありますよね。実習に懸命に取り組まれて、実習先の方と信頼関係を築いたからこその出来事ですね。
短い時間の中でも、Yさんの誠実で温かいお人柄が伝わるインタビュー、お話を伺って、さらぽれはただ就労のためのスキルを身に着けるだけではなく、内面を成長させる場でもあるのだと改めて実感しました。
私たちも、訓練や実習を通じて内面を成長させていけるよう、頑張ります!