旧ブログ

就職活動をふりかえって

下北沢事業所

2021.11.26

就職活動をふりかえって

このたび就労が決まりましたので、ふたたびブログを書くことになりました。訓練生Mです。ブログ担当として何度か登場している私ですが、今回は特に苦戦しています。なぜかというと、就労にあたり何か特別にしたことがこれと言って思いつかないからなのです。身も蓋もない言い方になってしまいますが…。
じゃあ、どうして就労につながったのかというと「周りの方々が作ってくれた流れに乗っかったから」でしょうか。なんだかふわっとしていますよね。
 
もともと私は、人の手を借りることが苦手でした。全部ひとりでやらなくては、やりたい、と思っていました。「障害があるからできないでしょう」「大変そうね」と思われてしまうのが悔しくて「ひとりでできますから、助けていただかなくても大丈夫です」と意固地になっている節がありました。
そんな頑なだった私の就活がふわっとしていたのは、さらぽれに通所する中で「手をさしのべてくれる存在」がたくさんいると気づいたことが理由だと思います。
 
障害者雇用での就職をめざすにあたっては、自分の「できること」「やりたいこと」だけでなく、自分の障害もふまえて「苦手なこと」「できないこと」と向き合わなくてはいけません。さらぽれで訓練をするメリットのひとつは、それらとじっくり向き合い、時間をかけて見極めていくことができることでしょう。
 
さらぽれではいろいろな課題に取り組む機会がありますが、一見すると「できない」と思うようなものもたくさんありました。
でも、たとえばチーム業務なら、チームのメンバーが力を貸してくれるのです。本当に個性豊かないろいろなメンバーがいて、私にはないあざやかな発想や、鋭い着眼点、丁寧な資料づくりなど、はっとすること、見習いたいところがたくさんありました。困ったときには何度も助けてもらいました。また、自分では何とも思っていなかったところで「助かった」と言ってもらえたりもして「できない」ことはこうして補えあえばいいのだということも学びました。
また、自己分析でも煮詰まったときには職員さんがじっくり話し合う機会を設けてくださいました。客観と主観をすり合わせることで視野が広がりますし、ふとしたやり取りの中で自分の新しい価値観にはたと気づく、ということもありました。
どちらも、一人で対峙していたらどこかで「できない自分」にぶつかって、投げ出してしまったのではないかと思います。
いろんな人が力を貸してくれる、一人で全部やろうとしなくていいということは、私にとってはとても大きな気づきでした。
 
そして冒頭の「流れに乗る」話。もちろん「流れに乗る」ときにはえいっとジャンプしなくてはならないので、色々と不安なことも出てきます。でも、不安なことはいつでも職員さんに相談ができました。そうして安心できる環境が整っていたおかげで、
「今回縁がなかったとしても、またトライアルアンドエラーを繰り返してみたらいい」
とのんびり構えることができていたと思います。
また「自分がリラックスできていると感じられる面接なら、きっとその企業は自分に合っているのだろう」と思うようになり、これは企業選びの指標にもなりました。
 
自分ひとりでできることには限界があって、世の中にはいろんな人がいます。
せっかくなら、いろんな人の声に耳を傾けてみる。
そして、誰かに手をさしのべてもらったら、まずはその手を取ってみる。
行きづまったら流れに逆らわず、身を任せてみる。
そうすると、不思議と目的地に着いていたりするものです。
 
手をさしのべてくれる人はたくさんいる。そのことを頭の片隅にちょっと置いておくと、力が抜けて、気持ちがふわっと楽になるもしれません。行きづまったとき、頑張りつかれたときに、どうぞ思い出してみてくださいね。