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さらぽれでの訓練を振り返って

さらぽれでの訓練を振り返って

 こんにちは。訓練生のH.Tです。この度、さらぽれを卒業することになりましたので、訓練期間約1年半の総括を行いたいと思います。
 私は、さらぽれに通所前、IT業界でSEを行っておりました。しかし、仕事で成果を出せない状況が続き、会社を退職し、さらぽれに通所を始めました。
 訓練中では、出勤簿入力、オフィスの清掃、在庫確認業務、名刺データ入力、仕分け作業等、一般事務を中心に実際の職場のコミュニケーションを想定した訓練を行っておりました。
 訓練を始めた当初や前職では、何が分からないか言語化できない、自分の言っていることが伝わらない、相手の言っていることが分からない、納期を大幅に超過してしまう、メモを書いても内容が要領を得ていなかったりそもそもどう書いていいか分からない、同じミスを繰り返す等、前職でも目立ったミスが起こっていました。
 
 訓練を続けるに当たり、自分が理解・表現するのが苦手な言葉があることに気づきました。
自分が理解・言語化するのが難しかった言葉や相手が想定するものと結果がズレていた言葉に共通することは、自分のアクションを頭の中で映像化することが困難、又はいくつもパターンが思いつく言葉だということに気づきました。
自分が相手の話を聞く際に理解が難しかった言葉としては、例えば「やる気を見せて下さい」や「共有して下さい」や「検討して下さい」等といったものでした。
 
反対に、自分が言語化するのに苦労した言葉としては、「関連性」や「紐づけ」や「言語化」といった言葉でした。理解する時と同じく、やはり頭の中に映像として思い浮かべることが難しい言葉でした。
このことから自分は抽象的な事柄や概念的なことを理解・表現することが難しいということが特性になっていることが分かりました。その半面「〇〇を△△に置いてください」等、自分のアクションが映像で明確に思い浮かべることができる状態の時は困ることはありませんでした。
 
 納期の超過を起こしたり、同じミスを繰り返してしまう時にも気づいたことがあり、その時に共通して言えていたことは、一度に考えるべきことが多かった時でした。納期が達成できていなかった時は二つ以上の仕事を同時進行で勧めていた時、同じミスをした時は行っていた業務の工程や一日で注意するべきことが沢山あった時でした。
 このことから抽象的な文言を表現・理解するのが苦手なことに加えて、頭の中で同時に処理できる量が他の人よりも少ないことが特性になっていることに気づきました。
 
 色々困りごとはあるけれども、おそらくこの二つの特性が一番大元にあるのではないかと考え、この二つに自分がどう付き合っていくかが、自分の訓練中の大きなテーマになりました。
 抽象的な文言については、①その言葉の5W1Hを明確にすること、②言葉それ自体の意味の後で追加でするべきことは無いかを検討するよう工夫しました。
 
 例えば、①については、Whenならば、頭の中でカレンダーや時計を思い浮かべる。Whereならばさらぽれの地図を頭の中で思い浮かべる等、できるだけ自分の中で言葉をイメージ(=絵)にできるように心がけました。
 ②については、例えば、「検討」と言った言葉は、その言葉自体は頭で考えることを示していることは分かると思いますが、その後に考えた結果を報告するべきかを考えるよう工夫しました。
 
 しかし、それでも相手が求める成果物とズレてしまった時もあったので、就職時の配慮事項として、成果物のお手本を見せてもらうことにしました。
 一度に注意するべきことが多い時に工夫したことは、注意するべきことをメモにただ単純に書くだけでなく、いつ何を意識するべきかを明確になるように時系列順に整理するよう工夫し、メモされたこと全てを一度に頭の中で意識するようにするのではなく、必要な時に必要なことだけを意識できるようにしました。
 
 抽象的な文言をイメージできるように工夫する、必要な時に必要な事柄だけを意識できるようにするという二点を意識し、ある程度配慮事項を考えた結果、訓練終盤の企業実習時には、コミュニケーションが取りづらいと言われることはなく、相手が求める成果物もしっかり作れているという評価を頂けました。
訓練中、一番重要だと思ったことは心の余裕を持って考えることだと思いました。
様々な困りごとはあったとしても、全てに通ずるある程度共通の原因が必ずあります。
最後に、就労移行に通っている人達は自分に障害があることを認めて、真剣に自分に向き合うことができる人達です。生きていれば何とかなるので、心に余裕を以て、たまには息抜きをしながら、でも時にはしっかり考えてどんなに小さな仕事でも向き合って訓練を行って行きましょう。
約1年半、お世話になりました。

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