在宅訓練で感じたこと — 職員の視点から
4月7日の緊急事態宣言発令を受け、さら就労塾でもオンラインを使った「在宅訓練」を急遽取り組むことになりました。私にとっては4月から担当している基礎コースが始まったばかり。まだ訓練生の皆さんとのやりとりも少なく手探り状態でのことです。
突貫で準備を終え、Webビデオ会議での朝礼に始まり、メール中心のやりとりで訓練を進める・・・という、これまでにやったことがない進め方をしていくことに決定。
正直、これで訓練になるのだろうか?という疑問が渦巻いたままスタートの日、4月13日を迎えました。
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さて、より細部に入りましょう。通常のさらぽれにおいて、基礎コースは専用のエリアで3~8名くらいの少人数訓練生と講師が対面でディスカッションしたり、レクチャーしたり、演習したり、という形で進めます。めちゃくちゃ密というわけでもないですが、時には隣席で顔を近づけて指導したり、ということもあります。
今回は違います。訓練生の皆さんはPC画面の向こう。写っているのは上半身。私の姿も上半身。体を使った?レクチャーもできません。
どのように進めていくか・・・考えあぐねた結果、在宅での基礎コースは今回10:00~15:00と設定しました。この少し短めの訓練時間のなかでWebビデオ会議(Zoom)を使ったやりとりは多くて1時間程度。その他はメールでのやりとりが中心という進め方。必要に応じて電話も用いる、というスタイルでスタートすることに。
当初、Zoomでの対面時間をこの程度にした理由はただ一つ。私自身にPC越しでのレクチャーや伝達力に大きな不安があったためです。「あとはメールを頑張って書いて補おう」という考えでした。
在宅訓練が始まった週は正直、探り探り。これでいいのか?みんなにとって意味がある訓練になっているのか?Zoomの少し粗い画像に映るみなさんの顔を見ながら自問自答しながら一緒に取り組んでいきました。
皆の体調を確認し、訓練の状況を確認し、今感じていることや世事についての雑談を行なったり、で一日一日を積み重ねます。私自身もあまり外出できないので、正直、何かと息が詰まります。訓練生の皆さんも人によってはそう感じるでしょうし、事実そう感じる方もいらっしゃいました。
・・・そんなこんなで1カ月が経過。
どうなることやら・・・と思って始めた在宅訓練でしたが、この原稿を書いている5月25日時点では当初考えていた不安はだいぶん払拭されました。当然、訓練ボリュームが多少少なくなっていますし、訓練生の皆さんにとって「うーん・・・」と思うところもあるんじゃないか、とは思います。それは否定できません。
でもね、「思ったよりもやれるじゃん!?」正直そう思いました。
意外や意外、思った以上に気付きも多かったです。指導にあたり、痒いところに手が届かない、訓練生の皆さんが実際にPCで作業する手元が見えないなどのマイナス点は予想通りでしたが、在宅訓練だからこそ見えたものがあります。ちょっと列挙してみます
【気づき1】
入ってくる情報が制限されることにより、文章や言葉による報連相の抜け漏れやミスに”私自身”気が付きやすい!!!・・・気がする。だからフィードバックのクオリティがアップ!
【気づき2】
こちらから出す情報も制限される。というよりも「皆に均質」なものになりやすい。どういうことかというと、対面でのレクチャーでは質問があったり、目を輝かせて聞き入っている人に対して少し力が入ったり…ということで、こちらから伝える情報が均質にならないケースもあったのだなーなんて、あらためて感じました。
「同じ情報を提供」したら、複数の人の成果を横並びにみたときに「くっきりはっきり」特徴、傾向がつかめたのです。その人その人に何を伝えたらよいのか思ったより明確になりました。みんなの役に立ってるとイイなぁ・・・
【気づき3】
これから先、オフィス内での勤務においてマスクは当面欠かせないような気がします。もしかしたら、オフィスの中で歯を見せて笑うなんてできないかもしれない。でも、オンラインならマスクはいらない。おそらく今後オンラインの画質や音質も改善するだろうし、オンラインなりの伝達表現を考えれば、今まで同様の学びはできるのではないか?もしかするとマスクで口が隠された現場レクチャーよりもよいかも!?なんて考えはじめてます。
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おっかなびっくりで始めた「在宅訓練」、自分なりに手ごたえを掴めはじめた気はします。私でさえ、ちょっぴり手ごたえ感じた、ということはこれから先、もっともっともーっと、オンラインの活用が進みそうな気がします。
きっと仕事のやり方も「コミュニケーション」を中心に大きく変わっていくのでしょうね。私自身乗り遅れないように、オンラインでの「伝える技術」ってどんなところに気をつけたらよいのだろう!?って勉強しないといけません。
いままでは、さらぽれ池袋事業所の中にしか私の声は届きませんでした。でも、もしかしたら、自身の伝えることに大きな意義があれば、もっともっと沢山の人に、遠くの人に、伝えられるかもしれない、なんてこともこの在宅訓練で感じます。激動の時代、アフターコロナの時代、前向きに乗り切っていきたいですね!!!