働くことの不安を変えるには・・・?
皆さんは企業で働くことに不安を感じていませんか?
その不安の原因は何でしょうか?
理由はいくつかあると思いますが、その中には企業で働いた経験が無いであるとか、自分の能力が現場で通用するのかなどがあるのかもしれません。では、安心するためにはどうしたらよいでしょうか。
それには、「現場を実際に体験」することが一番ではないでしょうか。実は、障害者雇用を進める企業の中には、現場で実際の業務を体験実習させて頂けるところがあります。今回は、そんな職場体験実習をクローズアップしてみたいと思います。
職場体験実習とは
職場体験実習とは、その名の通り企業の職場に行って、現場の仕事を体験することです。ハローワークにある求人票の業務内容欄をみると、よく「一般事務」というキーワードを目にすることがありますが、では「一般事務ってどんな仕事をするのか?」と聞かれても、明確にイメージすることが難しいですよね。
実際、企業によって一般事務の仕事内容は千差万別ですし、業務範囲も総務的な仕事のみなのか、はたまた人事や経理まで含めるのかは現場によって異なります。
職場体験実習では、そんな求人票からはイメージすることができない「一般事務」の実務を、自分自身で経験し知ることができるのです。
実習はどうやって決まるの?
職場体験実習がどうやって決まるのか、その流れを説明します。
実習のお話がどのように来るのかは様々なケースがあります。さらぽれではハローワークの方からご紹介頂いたり、事業所に見学にいらした企業担当者様からお話を頂いたりすることもあります。他にも、卒業生が就労された企業に支援のため訪問した際に、実習のお誘いを頂くこともありました。
- Aさんの事例
今回はある訓練生(以下Aさん)の事例をもとに実習までの流れを説明していきます。Aさんは、東京しごと財団※1が主催する「職場体験実習面談会」に参加しました。
※1東京しごと財団とは・・・
東京しごと財団は働く意欲を持つ都民のために、その経験や能力を生かした雇用・就業を支援することを目的として設立された公益財団法人です。その中で、障害者就業支援事業の一環として、職場体験する機会を創出するための面談会を定期的に開催しています。
東京しごと財団を通じた実習までの流れ
①申込
Aさんは予め回覧されていた面談会に参加する企業一覧表から応募先を選定し、職員に対して参加の意向と受験企業を伝えて頂きました。
一覧表には、企業の業種や所在地の他に、実習で担当する業務内容などが記載されていますので、Aさんはその中から自分が得意とする業務がある企業を選んでいました。その後、当事業所にて東京しごと財団に参加の申し込みを行いました。
②プロフィールカードの作成
プロフィールカードは面接の際に企業担当者に渡します。プロフィールカードには、ご自身の名前、住所、年齢、経歴の他に、自己PRを記載します。履歴書の作成をするように、自己分析をしながら作成し完成させていきます。
③面接
プロフィールカードの作成を終えると、いざ、面接当日です。
面接では約15分という短い中で、自己アピールをしたり自身の配慮事項を説明したりしなければなりません。予め相手に伝えたい内容を整理しておき、面接練習などでしっかりと自分自身を説明できるように準備しておきます。Aさんは、面接というハードルを越えることで、実習をする上での自信に繋がったようです。なお、実習日数や勤務時間は企業によって異なりますが、実習においてはある程度こちらの希望を叶えて頂けることが多いので安心して下さい。例えば、フルタイムで働く自信が無い方の場合は、勤務時間を減らしたり、朝が弱い方の場合は出勤時間を遅らせたりすることができる可能性があります。
④実習
実習では、その企業に就労したら実際にどんな業務を担当するのか、その一部を体験することができます。例えば、名刺データ入力やお客様アンケートの集計作業、電話応対や書類のスキャン、郵便物の発送に関わる作業など、パソコンを使った業務から手作業系の業務まで様々なものがあります。
Aさんは、パソコンを使った業務(交通費清算、備品発注、名刺データ入力)や書類のファイリングやシュレッダーなどを担当しました。初日は緊張していたAさんも、事業所の訓練の中で同様のことに取り組んでいたので、企業先でも十分に貢献することができたようです。そのため、最終日の振り返り面談では先方から高い評価を頂きました。
さいごに・・・
最近は、実習先の企業にそのまま就労が決まるケースも少なくありません。もちろん、実習の目的は、企業における実際の業務を体験して知ることや、今の自分の力が企業で通用するのかを試すことですので、就労先を決めるものではありません。ですが、もしかすると職場でどんな業務を行うのか、どういった環境で仕事をするのかなどを実際に体験するほうが、就労先への不安を払しょくすることができ、かえってその人本来の力を発揮できていることが、企業の方に「この方と一緒に働きたい」と思って頂ける要因なのかもしれません。
皆さんも「仕事」を体験してみませんか?