旧コラム

段取り上手は仕事上手

下北沢事業所

2016.04.25

同じような能力を持ち、同じぐらいの時間働いているのに、人よりも多くのパフォーマンスを出している方がいます。何がこのような違いを生んでいるのでしょう。

「段取り8分」の重要性

「段取り8分」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。段取り(準備)がしっかりできれば、仕事の8割方は終わったようなものだ、事前の計画や準備をしっかりやっておくことの重要性を表した言葉です。人よりも高いパフォーマンスを上げている方は、この段取り力に長けていることが多いです。

仕事がどのような流れで進んでいくのか、あらかじめ整理しておく。事前に様々なケースを想定し、対策を考えておく。その結果、各段階で必要となる材料を漏れなく準備しておくことができ、その後の仕事をスムーズに進めることができたり、予想外の事態に直面してもうろたえることなく対処することができたりする、ということの積み重ねなのだと思います。

どこで段取り力を鍛えるか

彼らはどこで段取り力を鍛えたのでしょうか。実際の仕事の現場で鍛えられたという方もいらっしゃると思います。では、実際に働いた経験が少ない方の場合は鍛えることは難しいのでしょうか。そんなことはありません。皆さんのもっと身近な場面でこの段取り力、鍛えることができます。

例えば、炊事や洗濯などの家事。このような身近な場面に段取り力を鍛えるチャンスがあります。

洗濯という作業は、洗濯機を使えば洗い終わった洗濯物を干すのと次の洗濯物を回すのとを並行して行うことができるはずです。あるいは洗濯槽に入れる前に干しやすくなるように衣類を揃えておいたり、畳む時のことを考えて靴下の裏表を揃えておく(よく家族から裏返しになっていると怒られます)、といった工夫も段取り力の一つです。

炊事も同様に、お米を研いで水につけて置き、炊飯器にセットしてスイッチを入れるのと、おかずの下ごしらえから調理、盛り付けといった作業は2種類の業務が同時並行して行われます。おかずも主菜のほかに副菜も欲しいな、お味噌汁も必要、となればさらに同時並行で作る内容が増えてくるわけですから、これらを限られた時間内で終えるためには相当の段取り力が必要となっているはずです。

時には無駄を承知で取り組むことも

さらに先のことまで考えて仕事をしている方は、直前にならないと実行する内容が決まらないような状況でも、各々のケースで必要となる準備作業は先に全部やってしまおう、という行動を取ることがあります。先にできることは貪欲に実行しておくことも、段取りのことを考えた行動です。選ばれなかったケース向けの準備に費やした労力は結果として無駄になってしまいますが、実行内容が決まってからその準備に取り掛かるのと比べれば、格段に早く作業を完了させることができます。結果、「君はいつも仕事が早いね」という評価につながり、会社に取って欠くべからざる人材としての位置づけが得られるかもしれません。

皆さんも普段の生活の中から、段取り力を意識してみてはいかがでしょうか。

身近なところに、鍛えられる場面は隠れていますよ。

例えば、こんな場面でも…

 

 

とある雨の日、タクシーが買い物帰りのおばちゃんをお客さんとして乗せました。

目的地に到着し、運転手が料金を伝えようと振り向いたところ、おばちゃんは間髪を入れずぴったりの料金を差し出してきました。

予想もしない反応に驚いた運転手がそのからくりを尋ねたところ、目的地の近くまできたところで後ろからメーターに表示されている料金表示を確認して準備しておいたとのこと。手際の良さに感心しながら、「でもタクシーが止まる直前にメーターがカチャッ、と上がってしまうこともありますよね?そうしたらせっかくぴったり用意しておいたのにあ~残念、ということもあったんではないですか?」

するとおばちゃん、ニカッと笑って、反対側の手に握りしめていた80円を見せてくれました、とさ。

 

 

おばちゃん、なかなかやるじゃん。