◆「どんな資格があったら有利になりますか?」
就労支援をしていると、このような質問をよく聞かれます。
みなさん少しでも面接を突破するために、必死になって考えているのだと思います。意欲的で素晴らしいことだと思います。
このコラムがいい機会ですので、障害者雇用(精神)で有利な資格について述べていこうと思います。
◆どんな資格があるのだろう
さらぽれでは事務職を目指している方が多数を占めています。(中には接客やバックヤードで就労される方もいます。)
事務職で必要とされる資格というと・・・。
いくつか挙げてみるとこんな感じで人気が高そうです。
・英検
などなど。
なかでもよく相談される資格は簿記と英検ですね。
何級を取れば有利になりますか?とみなさん気になっているようです。
私の回答としては以下の通りです。
◆現実的に資格を問われることはない。
面接同行をしても、資格について突っ込んで聞かれるということはあまりありません。
企業側の採用担当者が気になっているのはズバリ!!資格ではないからです。
採用側が気になっているのはこんな感じです。
「ちゃんと休まず会社に来てくれるかな・・・。」
「他の障害者雇用の社員とぶつからないかな・・・。」
「最低限のビジネスマナーは持ち合わせているかな・・・。」
◆どうして資格が意味ないっていうの??
企業というのは成果主義です。
そのため、会社にとってのメリット・デメリットで判断するため、仕事で成果を出してくれる人、有能な人を採用したいと考えています。
そう考えると、簿記だったり英語が堪能だったりプログラミングができたりと、成果を出すための技能が備わった人が欲しいのは明白です。
ですが・・・。
障害者雇用となると少し話は変わってきます。
いくら有能であっても、会社に来れない人を雇ってしまったら。突然休まれた日にはその部署の誰かがあなたの分の仕事をこなさねばなりません。
もしもあなたが1日6時間勤務だとしたら。
6時間分のあなたの仕事を他の人に割り振るわけです。
1人に割り振るなら1人6時間残業です。
2人に割り振るなら1人3時間残業です。
3人に割り振るなら1人2時間の残業です。
当日に突然仕事をふられたら、その人はどう思うでしょう。
「なんであの人のツケを私が払わなければならないんだ」
「あの人ばっかり体調不良だって休んでるけど、フォローしているこっちだって体調不良になっちゃうよ」
「せっかく自分の時間を管理して切り詰めて仕事をしているのに急に残業ってひどいよな」
という感じで、あなたに対して悪感情を持つようになり、休み明けで会社に行くとなんだか雰囲気が悪い・・・。
やがて職場に居づらくなっていき・・・。そして退職・・・。というケースが多いのです。
◆資格じゃないなら何でアピールするの?
知識、技術などの有能さをアピールする前に、自分は休まず勤務ができますよ、というアピールができると第一関門突破です。
その為にはどうすればいいのか。
そこで就労移行だったり、通所施設に通うという実績を積むことが必要になるわけです。
就労移行という場所は、ただ単にスキル、技術を学ぶところではなく、そういった実績を作ることができる場所でもあるのです。
資格などの技術やテクニックばかりではなく、まずは足元をじっくり固めてみてはいかがでしょうか。