会社での実務経験がある人、学生の時以来久しぶりの集団活動だと言う人など、様々なバックボーンを持つメンバーが集まり、2016年10月から、千歳台事業所で基礎コースがスタートしました。
所内では、開始時期で○○月生とクラス名を呼んでおり、今回のクラスは10月生となります。
基礎コースでは、新しいチーム(チーム名は“さらぽレンジャー6”です)が走り出す際に、各メンバーが相談し合って、チームとして取り組む目標を設定します。出てきた目標と(取り組みの)ルールは以下の通りです。
目標は、
- 「就労に向けて役立てる能力を付ける」
- 「お互いのことを知る」
ルールは、
A「仲良く楽しく研修していく」
B「時間厳守を心掛ける」
C「分からないことは必ず聞く」
仲良く楽しく研修していくために、お互いを知ることが大切で、挨拶から始まり、各々尊重し合いながら10月生のチームを作って行くことがテーマになりました。朝礼では目標とルールを唱和する、時間毎に号令を行う等の取り組みも自分たちで話し合い、決めて実行しています。
パソコンの勉強では、テキストをじっくり読み進めるというよりは、実際にパソコンを分解して、マザーボードをじっくりと観察するところから始めます。
キーボードで打った文字は、どのようなルートでディスプレイに表示されるのか、その間にあるメインメモリやCPU、ハードディスクなどの各装置の役割を、一つひとつ確認して進めて行きます。
始める前は、パソコンの中なんて見たことないと言っていましたが、「パソコンのケースって開けられるのですか!」という新鮮な反応に、「そうなのですよ、ほらこれがマザーボードで、こんな位置にあるのですね・・・」などと、私もワクワクしながら進めることが出来ました。
現在(10/25)はメールソフトの設定がほぼ終わり、所内の全職員、訓練生に対してメール開通の連絡を、メールを使って行いました。
設定途中では1箇所の見落としだけで、思った通りに動かなくなり、パソコンの融通の利かなさを体験しました。
また、アプリケーションの起動が遅く、アプリが開くまでの間が堪え切れず、合計3クリックしたアプリが、忘れたころに3度同時に開いてしまいエラーを起こした時は、パソコンの融通の利かなさ、もとい、パソコンは使用者の指示にとても忠実である面を体験しました。
10月生は開始して1ヵ月が経とうとしていますが、そろそろ緊張感が落ち着きはじめ、一人ひとりの課題がクローズアップしてくる頃です。
早い方ですと、この時期に入所時の個別支援目標を修正したいと相談が上がることもあります。
基本的には各々のペースを大切にしながら、ぽれぽれと進んで行きます。そして戻ったりもします。
みんなでワイワイと、人と一緒に仕事(トレーニング)をする中で、自分の得意な部分や苦手だな、と思う部分をどんどん見つけられたら良いな、と思っています。
そんなことは分かっている、という方もいらっしゃるかもしれません。
それはそれでよいと思います。
ここでは、いままで気づかなかった側面や、実は薄々感じてはいたけれど、やっぱりそうかなと感じたこと。
また、苦手だと思っていたけれど、やってみたら意外とスムーズに出来たということ。
やっぱり得意なことだ、と改めて実感した、ということ。
そんなことを感じている自分自身に気づくということ。
その気づきを、沢山ストックして行けば良いのだと思っています。
その道具として、パソコンを用いている、というイメージです。
当然、WordやExcelも使います。
デジカメで写真を撮影し、それをポスター作成で使ったり、スキャナで手書き文書を電子化して保存することも行います。
プリンタでは名刺作成にもチャレンジします。
これらの仕事(トレーニング)を通して、仕事が出来るようになることは良いことですが、集団の中の自分、会社で仕事をしている自分が、長く働き続けられるために必要なモノは、本当は何なのか、そのコツとは自分にとってどういうものなのだろうか、ということを探して行く、これが気づきの中から得られる自分の取扱説明書のアイデアになるのだと思います。
「汝自身を知れ」などと言うのは大仰かもしれません。
でも、社会の中で長く働き続けるには、とても大切なことだと思います。
出来ないことは気づくが、出来ることには気づかない。その逆もまた然り。
さらぽれでのトレーニングの中で、長く働き続けられる力を得て、あなた自身がワクワクする人生を探しに行きましょう。