9月オフタイムトレーニング~美術ワークショップ~
9月23日の春分の日に、久しぶりのオフタイムトレーニングを開催しました。
上野の森美術館と台東区文化振興課との協力を得て、大きな画用紙一杯に自由に描きたいものを描くという時間はあっという間で、参加者全員が夢中でクレパスを走らせました。
この美術ワークショップは、台東区文化振興課が進めている「障害者アーツ」の一環で、来年3月には上野の森美術館にて「台東区障害者作品展 森の中の展覧会」のPRも兼ねた取り組みのようです。
「障がい者アーツ」のフライヤーにはこんな文言が書かれていました。
「作品をつくる楽しさを知ってもらうための美術ワークショップ」
秋葉原事業所では、祝日を利用して普段の訓練ではできないワークや遊びを通じて、創造力や発想力などに注目したオフタイムトレーニングを実施しています。
今回の美術ワークショップは、まさにこのオフタイムトレーニングのコンセプトにも合致するものでした。
そして当日、秋葉原事務所には、武蔵野美術大学から吉永晴彦氏が越しくださいました。
ベレー帽や画材がついたエプロンなど、いかにも芸術家という風貌の中に、ふわっと温かい印象が伝わる方で、利用者さんもすぐに打ち解けていました。
当日の画材は、すべて上野の森美術館さんが寄贈してくださり、
本格的な画材を使って思い思いの時間を楽しみました。
・画用紙 3枚
・クレパス
・水彩色鉛筆
・鉛筆
・消しゴム
・鉛筆削り
・紙コップ
・エッチングのための割りばし
まず最初に使ったのはクレパス。
クレヨンほどべたべたせず、パステルよりもろくない特徴を持っています。
塗っていくことで濃淡を表すこともできますが、塗った後に指やティッシュでこすると独特の照りが出てきます
そんなテクニックを習いながら、思い思いに画用紙の上に描いた作品たちはのびのびとそれぞれに物語を語りだしそうな仕上がりになりました。
最初は画用紙の大きさに圧倒されてモチーフが小さくなりがちでしたが、
「自由に」「思うとおりに」「思いっきり書いてごらん」「めいっぱい大きく」「○○のこの表現がいいですね」と吉永講師から発せられるプラスの言葉に触発され、終わってみると画用紙を飛び出しそうに元気いっぱいの作品が並びました。
吉永講師からのちょっとしたアドバイスで、絵を書くお約束的なものに固まりがちだった表現が、徐々に大胆になり、過集中気味になりながらも徐々に表情まで生き生きとしたものに変わっていきました。
参加者の声をご紹介します。
——–
私は絵を描くのがあまり得意ではありません。
小学生の図工の時間では、写実的な絵を描くのが得意ではなかったので、成績も良くなく、絵を描く時間も好きではありませんでした。絵を描くと「ここはこういう風になっていない、よく見て」と言われ、構図や色について注意されることが多かったです。しかし、オフタイムトレーニングではとにかく自由に描いてよいということで、色づかいも構図も好きにすることができました。自分は絵を描くのが結構好きなのかもしれない…と思うほど夢中になりました。皆さんの絵を見て、「ああこの方はこういう色づかいをするんだ、このモチーフを描きたかったんだ」ということも少しわかった気がします。
——–
最後に、ホワイトボードに全作品を貼り付けて全員で鑑賞。
それぞれのタッチの違いに感想を述べあって、楽しい時間を満喫しました。