ちょっとのパワーをもらえる会
さらぽれが開設して1 年たったころ「さらぽれ会」という茶話会を月1 回日曜日に開いてきました。
多くの職場では、特例子会社でもない限り、障害を持つ当事者には「同僚のいない寂しさ」がつきまといます。また、就労すると時間がタイトになりますので、職場と住まいの往復だけで、友人に会うことも減って、人と言葉を交わす機会が少なくなるといいます。
一方、地域活動支援センターなどで友人を作ろうと思っても、そこの利用者は働いていない方が多く、仕事の悩みや喜びに共感してくれる仲間ができないと聞き、心置きなく話せる場として茶話会を開催することにしました。 毎回2時間くらいの茶話会でしたが、6・7人が参加してくださり趣味や休暇の話、職場のエピソードなど雑談を楽しんでいました。
「夕食会」はもともと事業所開設記念日に催す年1 回の行事だったのですが、夜のほうが集まりやすいという声に応えて回数を増やし、今では茶話会ではなく、毎月、昼食会・夕食会のどちらかを開催しています。 当初はキッチンのある集会室を借りて、職員手作りの夕食を囲んでいたのですが、会場の関係で地域が偏るため、場所は各事業所の持ち回りとし、料理は仕出し弁当やケータリングなどでまかなっています。費用はもちろん、皆働いているのですから頭割りで負担し、一人1000 円以下でまかなっています。 参加者も少しずつ増え、25 人を超える回も出てきて、たいへん賑やかに過ごしています。職場のこと、来ていない人の近況、好きなアニメの話など話題はつきません。夕食会の開催は金曜日の夜なので、2次会にくりだすメンバーもいます。
夕食会は社会人となった卒業生に久しぶりに会える場ですので、3人の担当以外の職員も有志で参加します。驚かされるのは、皆すっかり見違えるようになることです。男性は精悍になり、女性はきれいになります。そういう時、人間にとって働くことは本当に大きいのだと改めて思います。 食事中は、隣り合う職員に近況を伝えてくれますし、悩みや迷っていることも率直に話してくれます。その中で深刻な様子であれば、別に相談の機会を作ります。
「就労は継続してなんぼ」 働くことはそうそう容易いことではありません。働き続けるために、「ちょっとのパワーをもらえるところがあればまた頑張れる」のは誰でも同じ。 私たちの卒業生にとって食事会がその役目を果たしているとしたら、それが私たちのパワーになり次の食事会がお互いに楽しみになるのです。