長年の習慣が変えられず、同じことを繰り返すことはありませんか。
もちろん、良い習慣なら続けたいですが、私の場合は嫌いなタスクを後回しにする悪しき行動パターンを繰り返しています。
子どもの頃、夏休み終盤の数日で泣きながら絵日記やら自由研究を片付けていましたが、今でも似たような思いを味わっています。仕事では「今月こそ事務処理は溜めずにその都度やろう」と決心するのですが、結局は後回しになって月末に書類仕事に追われています。休日も「午前中のうちに溜まった家事を済まそう」と思いながら、なぜかソファで映画を観始める自分がいます。
そういう慣習は、かつて意志の弱さなどの性格特性のように言われていましたが、今は目の前の好きなこと(報酬)を優先してしまう脳の特性と考えられていて、脳の情報処理のしくみを利用すると改善しやすいそうです。
もともと脳は効率的な情報処理をするためにパターンを形成しやすく、習慣を繰り返すと同じ思考回路ばかり使われて柔軟性が損なわれるのだとか。
昔から歳をとると頑固になると言われるのは、脳科学的に根拠があったようです。とはいえ、脳の特性を利用して習慣を変えることが簡単にできるはずはありません。
これらを考える時、以前の宿題を思い出します。
週1回(全4回)の研修で「次回までの1週間は毎日1つ、普段とは違うことをしてください」という宿題が出たのです。違いはほんの些細なものでも良く、例えば、いつもと違う道順で帰宅する、コーヒーを紅茶に変える、髪の分け目を逆にする、いつもは買わないおにぎりの具を選ぶなどです。
普段と違う選択で新しい発見や体験をして、固定化した考えや気持ちから解放されるのが目的です。認知症予防にも効果があるとか。それで、私は初めて「マテ茶」を買い、正直あまり美味しくないと感じたのですが、新しい経験ができたと思えばあながち失敗でもないような前向きな気持ちになったものです。
それ以来、たまに自主的にこの宿題をやってみています。気が進まないことをする時にも「普段はしない体験だから」と思うと、ちょっと希望が湧いてきます。特性的に同じルーティンでないと落ち着かない人もいると思いますが、人生は予定通りにいかないものなので、敢えて自分から違う選択をするのも良い経験かもしれません。
悪しき習慣を変えるには至らないかもしれませんが、次の週末は「たまには朝から掃除して、新しい休日の流れを体験しよう」と自分に提案してみようかと思います。