こんにちは。
この度、就職先が決定し、さらぽれを卒業することになりました、秋葉原事業所訓練生のMです。
昨年6月から始まった訓練生活では沢山の事を学びましたが、個人的に大きな収穫は自己理解、もの考え方・捉え方の改善だと感じています。
まず前者について、診断は鬱病ですが、それは視覚聴覚過敏と特殊な記憶力の二次障害であり、主治医からは「本当の特性を表す用語は現代医学にない」と言われています。発達障害等の型に嵌らぬ私は、どのような配慮事項が必要で、どれだけやると疲れるのか。それを掴んで来なさいとの助言を受け、ここにやって来ました。
いざ訓練をしてみると、人の動きや配置、会話、空調、道路交通など大量のノイズを脳が処理でき得る限り吸収しつつ、集中を保っていると判りました。みんなこんなものだと思っていた私にとり、慢性疲労の一因を突き止めた目から鱗の発見です。
さらに、カメラアイという特殊な記憶力も主因と判り、これに気づけた事が人生の転換点となりました。そもそもカメラアイとは、物事を画像や映像で記憶する能力で、出来事を見たままに長く保存できる特性を言います。特に私はその精度が高く、一度受けた授業を頭の中で全て映像再生できる、駅や道で通りすがった人の外見や場所など、視界に入る限りは全て記憶できるレベルにあります。
今は治療と認知行動療法のおかげである程度コントロール出来るようになりましたが、仕事においては物理的な情報の遮断が必須と判りました。前職では、通勤や業務内容など様々な負荷は勿論、これらの特性を全く知らずにいたため発病しましたが、それだけでなく人生のあらゆる苦悩の根本が判り、大いに納得できました。
また、こうした特性や環境要因により、周囲とのズレや生きづらさを覚える事が常で、物事を必要以上に深く処理しては不安や憶測を生み出す癖も強く、このせいで必要な自己発信や相談を行えず、業務に支障をきたしてしまう課題もありました。職員の皆さんの言葉や振る舞いを模範にしながら公私共に軌道修正する日々を送り、適宜の自己発信と交渉をする習慣が身に着けることができました。さらに、他人は大して迷惑に思っていない事の実感と事実に即するマインドセットも会得できました。両親が入院と実家療養中という不安定な中で就活を乗り越えられたのも、このおかげです。
新しい生活が始まり、ようやく自分の人生を歩めるのだと感慨深い一方で、毎日のように話を聞いてくれ、認知の基準にもしていた存在が近くにいない心許なさもあります。ですが、ここで吸収したことは、いついつまでも私の中に残り続けますので、戴いた言葉を要所要所でリフレインさせながら健やかに働いていきたいです。
最後に、皆さんもご自身に合う場所とのご縁に恵まれますよう願っています。