お困りごと
担当しているイベント業務の締切前日、上司が一息ついたタイミングを
見計らって「参加者が予定より多く、席が足りません」と報告しました。
すると「それならもっと早く言ってよ」と叱られてしまいました。
先週の時点で席はギリギリだったけど、上司は忙しそうで報告する
タイミングがなかったし、締切には間に合っている。
それなのになぜ怒られるのか…納得がいきません。

教えて!對馬さん
担当しているイベント業務の締切前日、上司が一息ついたタイミングを
見計らって「参加者が予定より多く、席が足りません」と報告しました。
すると「それならもっと早く言ってよ」と叱られてしまいました。
先週の時点で席はギリギリだったけど、上司は忙しそうで報告する
タイミングがなかったし、締切には間に合っている。
それなのになぜ怒られるのか…納得がいきません。
■原因:『締切』の定義の違いと発達特性
今回の例で言えば、大きな原因と小さな原因が重なって起きているかと思います。
まず大きな原因は、相談者が業務の締切を『自分が割り当てられた仕事』を終わらせる日時」と定義していること。それのどこが間違いなんだ?と思いますよね。
説明が難しいのですが、上司側は締切を「部下に任せた仕事の範囲が『すべて上手く完了する』日時」と定義しています。何もイレギュラーがなければ、この二人の認識の違いは出てこずに済みます。
「こちら終わりました!」「お疲れさま!」と気持ちよく報告して終わりになるでしょう。
でもイレギュラーがあると、この認識の違いが顔を出してきます。
相談者は「参加者の人数調整は自分の仕事ではないから、それが上手くいかず自分が割り当てられた仕事に影響が出ても、それは自分の責任じゃない」と考える。
けれど上司は違います。「相談者の責任じゃないところで発生したイレギュラーでも、部下に任せた仕事の範囲に影響する内容なら関わってなんとかすべきだ。最低でも支障が出ていることを報告するべき」と考えます。
以上の「締切の定義の違い」という大きな原因がある上にさらにADHDの人の「締切までにやればいい」という先延ばし傾向やASDの人の「忙しそう」「機嫌が悪そう」と報告に躊躇してタイミングを逃す、という発達特性が小さな原因として影響してきます。
■解決法:報告の頻度とタイミングの工夫
◎日々の状況を定期的に共有
締切とは別に、例えば1日1回は上司に状況を伝えるルーチンを設定したり、進捗報告もスケジュールに入れ、あらかじめ報告日時を決めておくなど報告の機会を増やしましょう。設定した報告タイミング時に特に問題がなくても「今のところ順調です」と一言伝える習慣をつけます。
上司が忙しそうなら、メールやTeams等への書き込みでもOK。
また、上司・同僚とこまめに情報を共有することで、イレギュラーにも早めに対応できます。
◎話しかけるタイミングは相手が一人の時
『一人』とは、誰とも話をしていない、誰かと作業をしていない状況です。
ASDタイプの人は事例のように「忙しそう」「機嫌が悪そう」など話しかけるのを躊躇しチャンスを逃してしまったりする一方で誰かと話していると「今は話していいタイミングかな」と話に割り込んでしまったりすることがあります。またADHDタイプの人の場合は、相手の状況を考えず、知らずに話に割り込んでしまう事もありますので話しかけるタイミングは相手が一人の時を意識すると良いでしょう。
◎チームで進捗やファイルを共有する
この方法は会社側の協力が必要ですが、パソコン上で行える仕事であるなら、クラウドや社内共有サーバーを活用し、報告の負担を軽減する方法もあります。
ファイルは必ず共有ファイルから立ち上げてそのまま保存。
こうすれば本人から報告がなくてもチームメンバーが進捗を確認できる一方で、上司や同僚に確認の負担を押し付けてしまうので、まずは自分から報告できる仕組みを作ることが大切です。どうしても自分からの報連相が難しい場合はこの方法を検討してみると良いでしょう
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