事務は他の職種に負けず劣らず大変な仕事で、対応しきれないというお悩みをもたれるのも無理はありません。
事務職は事務を通して、他の社員全体をサポートすることが期待されます。そのために仕事全体の動きを把握して、それを効率的に回す役割を担っています。
自分の仕事もいっぱいあるのに、周りのペースに合わせることも求められます。同時並行で複数の同僚から複数のお仕事依頼があったり、依頼者のスケジュールに合わせて都度変更対応をすることもあるでしょう。
頼まれた仕事が重なって調整できなければ、締め切りの交渉が必要…
なんて時もあります。
マルチタスク、コミュニケーション、段取りと、ASDにもADHDにも苦手とされる部分がそろっているのが事務というお仕事ですね。
苦手だから…と別の仕事を探すわけにはいかないと思いますので、今の職場でいかに仕事力を上げていくか、今回はその対策を考えてみましょう。
大きなポイントは2つです。
1.必要な情報はまとめ、すぐに見られるようにする。
2.自分の仕事の範囲を掴む。
もう少し具体的にしてみます。
まず、次の様に「ご自分の職場情報」を整理してみてください。
例えば、以下のような内容です。
①自分に関係する同僚の一覧をつくる
②よくかかってくる電話相手の一覧表をつくる
③事務の年間スケジュールをつくる
④自分の業務一覧をつくる
⑤仕事別・業務メモをつくる
これらの情報は専用ファイルに綴じすぐに取り出せるようにすると良いです。
気を付けたい事として、ファイルに保管する資料は決めておき紛失や関係ない資料が混入しないよう注意しましょう。
目的は、「不安なこと、わからないこともこれを見ればすぐわかる」という資料を手元に持っておくことです。
席を立たないといけないところにあるのは、あまりよくありません。面倒くさくなってしまうかもしれませんし、たまたま置き場所の前に人がいて気まずい気持ちで待たないといけないかもしれないですしね。
デジタルがいいかアナログがいいかは、ご自分の使いやすい方でお任せします。
協力が得られる職場環境なら、対策の相談をしてみるのも良いと思います。
様々なタスクが降ってきて管理しきれない、というお悩みがある場合、タスクを一ヶ所で一元管理できるのが最良でしょう。とにかくそこを見れば、やるべき仕事が全部わかるというような。
それも自分ではなく仕事の依頼者に、無理なく記録してもらえる形がベストです。
例えば、
・報連相ボードをつくり、自分への依頼や連絡はそこ一つに集約してもらう。
・依頼方法はメールにしてもらい、件名にもルールを設けて一括で管理できるようにする。…などの方法が考えられます。
最後に、「そんなこと言われても、自分の職場は状況が違う!」と感じられた方もいらっしゃることと思います。
事務業務は多岐にわたりますし、職場によっても細かい内容は違います。取り入れられない方法もあることでしょう。
「事務職は他の社員をサポートする仕事」というのも、「そういうものなのか」とゆるく受け取って頂ければ良いです。大事なことは、あなたの仕事が上手く回るようになることですね。
「情報は一ヶ所に、すぐ手に届くところに」を基本にして、まずは取り入れやすい方法からやってみてください。