はじめまして。秋葉原事業所訓練生のTです。最近一気に気温が下がり、瞬く間に秋めいてきましたね。寒暖の差が激しい日々が続いておりますので、皆さん、体調管理には重々気を付けてください。
さて、私は5月から秋葉原事業所に入所し、現在基礎コースを終え、就職準備コースに移行したばかりです。そんな今、ここさらぽれにて数ヶ月間訓練に励んだ中で、自分の気持ちの変化に気付いたことがあり、そのことについて書いていきたいと思います。
私は、さらぽれに入所した当時、自分には何一つ長所がないと感じていました。それは、今まで過去に数々の失敗を重ねてきたからです。今でこそ、失敗の原因は注意欠陥という障害特性ゆえだったと理解できますが、自分の障害を知らないうちは、失敗するたび、否定されるたび、自分に対する自信が削り取られていきました。そうして、やがてすっかり自信は跡形もなくなって、私は長い間自分に対して、良いところなんて何もない、できることは一つもない、“0”人間だと思ってきました。
自分のことが、嫌いでした。
しかし、このさらぽれで、訓練に励み、数々の課題をこなしていく中で、徐々にその認識に変化が生まれました。それは、職員の皆さんや、同じ課題に取り組んできた訓練生の皆さんのお蔭です。職員の皆さんが、訓練を通して、私のできること、長所を教えてくださいました。褒められることなど今までなかったので、すぐには受け入れられず、職員さんの言葉をお世辞だと、信用することができなかった私にも、呆れることなく何度も繰り返し真摯に伝えてくださいました。同じ基礎コースを受けた訓練生の皆さんが、ビジネス基礎研修の中で、ブラボーカードという形で、私の良いところを見つけてくれました。ずっと何も持たない人間だと思っていた私に、“こんなにたくさんのものを持っているじゃないか”と、さらぽれで出会った皆さんが教えてくれたのです。私は、“0”じゃないんだと、できることも、良いところも、長所も、ちゃんと存在しているのだと、私はここさらぽれで、気付くことができました。誰かに肯定してもらえる心強さと嬉しさを、さらぽれで初めて知りました。
今まで、ずっと自分のできない部分ばかりに目を向け、“自分は何一つ満足にできない人間なんだ”と落ち込むばかりでしたが、さらぽれに入所したことで、ものの見方が変わったように思います。視野はより広く、視点は下よりも上へ。
今までは、物事をこなす中で、一つの成功と一つの失敗があると、成功は一切目に入らず、失敗ばかりに心が囚われて、“全部が失敗だった”と過度に自責してしまっていました。でも、さらぽれに入所して訓練を重ね、職員さんとの面談を通じて、今は、「できなかったこともある、でも、できたこともある」と、成功の部分にもちゃんと目を向けることができるようになりました。正確には、まだ、成功よりも失敗のほうが心を占める割合は遥かに大きいですが、それでも少しずつ、“できないこと”を嘆くだけではなく、“できること”を探す自分に変わってきているように思います。いえ、変わっていきたいと思っています。
どんな人間にだって、どんな障害特性を抱えていたって、その人にできることは、決して“0”じゃない。良いところは必ずある。
もし、私のように、自分に欠片も自信がなくて、何一つも上手にできないと思っている方がいたとしたら、私はそう伝えたいです。“0”だと思い込んでいた私に、一つ、また一つ、と、自信の種を植えてくれた皆さんに感謝を込めて。チープな表現ではありますが、頂いた種に、自分の中で丁寧に水を注ぎ、光を当てて、いずれ自信という名の花をたくさん咲かせていけたらと思います。
いつか就労先が決まってさらぽれを卒業する頃には、100まで満たせなかったとしても、1つでも多く自分の長所を、できることを見つけて、自分のことをちょっとだけ好きになれるように、今後も引き続き訓練に励んで参りたいと思います。