訓練生のブログblog

周りの世界を映しているのは他でもない自分自身でした

周りの世界を映しているのは他でもない自分自身でした

お疲れ様です。秋葉原事業所訓練生のK.K.です。
この度さら就労塾を卒業させて頂くことになりました。
なかなかに就職活動が難航したので、内定が取れたと知った瞬間は、心臓が飛び跳ねるかと思うほど嬉しかったです。
   
さて、今回の記事では、そんな現在の自分の状況を整理するために、これまでのさら就労塾での訓練を振り返ってみることにします。
    
まずプレ基礎コースでの訓練は、テンキーの電話番号写し、余禄写し、Word/Excel課題、手作業などを行いました。
  
中でも印象に残っているのは余禄写しです。
どれだけ集中してタイピングして、どれだけ集中してチェックしても、どこかが間違っている。これは自分の本当の能力を知る良いきっかけだったと思います。他の卒業生の方々の記事に書いてあった状況と比べてみても、少し自信を持ちすぎなくらいだったのが私の原点です。
    
次の段階である基礎コースでの訓練は、さら就労塾専用のテキストを用いて行われたのですが、大きく分けてPC訓練とビジネス基礎研修の二つがありました。
   
PC訓練では、MicroSoft Officeの操作だけでなく、ネットワークの知識や、ハードウェアについての知識も学ばせて頂きました。知的好奇心が刺激され、習った事を全て覚えているわけではないものの、受けていて楽しい講義だったと思います。

 

ビジネス基礎研修では、企業がどのようにして生まれたのかというお話から、職場での人間関係についてや、仕事におけるコミュニケーションの取り方などを学びました。こちらは個人的には負荷が大きい講義だったのですが、受けてためになったのは事実だと思います。

 

そして基礎コースを卒業すると、晴れて就職準備コースに移行しました。

 

移行してからひと月目は、コロナ蔓延により初めて在宅訓練を行いました。
内容としては頂いた課題の他に、C++の自習を行いました。
始めはプログラマーという夢を目指していたのです。
基礎コースで情報処理能力に自信を持っていたので、なんとかなると思っていました。

 

その次の月になって通所が始まり、初めて定常業務を数件任されることになります。
「定常業務」というのは、定期的に継続的に事業所内で発生する特定の事務作業や軽作業などのことです。
作業自体は問題なかったのですが、上に立つ立場になると、他の人の進捗を気にしながら調整する作業や、会議の進行を進める作業などが苦手なことにようやく気付くことになりました。

 

そして最も印象に残った非定常業務(※定常業務以外の実務訓練)である「ゲーム業界研究」を行うことになります。
これはゲーム業界に新しく参入する際に、どのような方向性で参入するのが適切かということを、ネットに載せられている論文、記事、資料を使って、上司に報告するという訓練でした。
とても骨の折れる作業でしたが、完成品は今でも誇れるものが作れたと思っています。

 

次に任された大きな非定常業務は、その後に任された業務の「ビジネス基礎クイズ作成」です。これはExcelのVBAとインターネットの情報を用いて、“ビジネス基礎研修”という基礎コースで行っていた訓練の内容についてのクイズのプログラムを作るというものです。これは、やっていて今までで一番楽しかった訓練だと思います。満足のいく出来のものを作れたので、良い思い出になりました。

 

――それからしばらくは、定常業務中心に日々が過ぎていきました。

 

やがて、定常業務の負担を減らしつつ、就職活動に舵を切ることになりました。
最初は面接の準備が足りなかったせいで答えに詰まってしまったり、履歴書や職務経歴書もまだまだ完成にはほど遠く、実習に行くことさえ出来ませんでした。
そして何より、夢であったプログラマーが夢で終わってしまう現実が見えてきたのもこの辺りです。
基礎コースや定常業務の初期は自分の能力に自信を持っていましたが、実務能力だけで面接が通るほど就活は甘くありませんでした。
ハローワークの担当の方からは、より広い視野を持つために職務内容を限定せずに求人検索してみてはどうかというアドバイスを頂き、事務も視野に入れることにしました。

 

そして面接対策及び業務能力の向上、及びコミュニケーション練習の一環として、苦手だった報連相を普段から意識できるように、「内容を考えてから報連相を行う」と書いた付箋を目に付くところに貼っておくことにしました。
これが結構効果があり、最終的に報連相で困ることは無くなりました。
この手法が上手くいってからは、大事な訓示を目に付くところに付箋で貼っておくという手段で職務能力を向上させるようになりました。

 

それから面接練習も積極的に行い、練習の時でさえ上手くコミュニケーションを取れない時もあった状態から、すらすらと質問に対して答えられるようになっていきました。これは本番で何を言うか考えるより先に、準備の段階が大事だという事に気付き、色々な失敗を経て、どういう準備をすればいいのか分かったのが大きかったです。そして何より、自分を理解することが大事だと感じられてきました。

 

そして今の担当職員さんのアドバイスで、「自分のことをより理解する」ことを念頭に置き、自分がどのような特性を持っているのかについて考えるようになりました。その上で、自分の症状に対してどう工夫出来るか。そして、それを実行することが出来るか。そういうことを普段から考えるようになっていきました。
また、付箋メモの代わりに、スマホに仕事や健康において大事なことをメモし、毎朝それを見返すという習慣づけをするようになりました。これは今でも続いているのですが、これもかなりの効果がありました。

 

それからは、日々の訓練や、実習を遠し、より自分に対しての理解を深めていきました。

 

「自分を理解しようとする」作業は今まで行ってきた訓練の総決算のようなものになりました。
自分の本当の実力、段取りやマルチタスクの苦手さ、社会性の障害など、色々な自分の特性を知ることが出来ました。

 

結果的に、履歴書の特性欄がシンプルかつ誤解のない内容になり、配慮事項は、企業の方により理解して頂けるような、説得力のある内容になりました。
また、自分を知ることで、面接でも自分の言いたいことをきちんと伝えられるようにもなっていきました。自分の意見をしっかりと言えるようになりました。
この本質を理解し様々なことに対処しようとする姿勢が、私にとてもフィットしたやり方となりました。

 

自分のことを理解することは、私たち精神障害者にとってとても大事なことだと思います。自分を理解して初めて、自分のことや周りの状況を冷静に捉えられるようになると思います。
そうして自分の側の準備が整うと、自分と上手くマッチングする企業が向こうから現れると、私は信じています。
周りに広がる世界だけでなく、自分自身のことを本気で理解しようとしたことが、あなたにはありますか?

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