見た目の分厚さに気後れする人もいるでしょう『発達障害の人のための完全ガイド』。
この本をいきなり完読しようとすると挫ける人も出てくると思うので(私は一度挫けました)、障害当事者である自分なりの「攻略法」をここで提案させていただきます。
この本を読むには3通りの方法があると思っています。
①「はじめに」「もくじ」など、冒頭から最後まで読み切る。
自分は、この方法で読みました。必要を感じた時に時間的猶予がありました為やれましたが、いきなりはお勧めしません。
②「もくじ」(15ページある)に目を通し、気になる項目だけを読む。
開いた瞬間、量の多さにめげるかもしれませんが(私は最初めげました)、1行1行読んでいくと、「これは参考になる!」という項目が見つかるはずです。それでもいきなりはハードルが高いかもしれません。
③ぱらぱらとめくり、目に留まった項目を読む。←これがお勧め。
分厚さにごまかされがちですが、この本、項目そのものは2~6ページの超短編。
1項目を読むだけなら大して時間はかかりません。
しかも項目の見出しは、右側のページに大きく載せてあるので、ぱらぱらとめくっても目につきやすくなっています。
これでしたら初めてこの本を手に取る方でも気楽に読めると思います。
ぱらぱらとめくり1つでも自分の参考になる項目を見つけられたら「手にした甲斐があった」と思える、これはそういう本でした。
特性の困りごとを一通り網羅しているのが特徴のため、全部が全部、役に立つとは言いません。障害の特性は人それぞれだからです。
実際、「これは自分には当てはまらない」「これを活用するのは自分には無理そう」という項目もありました。そういう読み方で良いのだと思います。
私の場合は、数ある項目の中から見つけた幾つかの「ちょっとしたことでうまくいく」情報が就職活動の役に立ちました。また、生活面での困りごとの助けにもなりました。
例えば、〈スーツや小物の選び方がわからない〉。
私は、スーツを買ったことがありませんでした。就職活動用に買おうにも、対人的な障害持ちの自分には、専門店へ足を運ぶのは勇気のいる事でした。その背中を押してくれたのがこの本でした。
具体的には、就労移行支援事業所の職員に相談し、買い物への同行を依頼。洋服店では職員の協力の下、店員にあれやこれやと相談し、予算内で満足のいくスーツを買うことができました
〈成人当事者たちは、どんな問題に直面するのだろうか。相談などでよせられるもののうち、一部を挙げてみよう〉とある部分では、その内容〈待ち合わせや締切りに遅れる〉〈片付ができない〉〈失言して相手を傷つけてしまう〉等に「あるある!」と頷きながら読み進めもしました。
〈時間泥棒行為を減らすこと〉〈「自分がやったこと」のログを取ってみる〉は、過集中しやすい自分の時間管理に役立ちました。
これにつきましては、自分一人では無理だったため、職員に協力していただき実践。
生活リズムのグラフ化と、スマートフォンの「設定」内にあった「Digital Wellbeing」でアプリの使用時間を確認することで、自分が時間をどう使っているかを可視化しました。これにより、「こんなに時間を無駄にしていたのか」と認識することができました。
認識できれば後は〈時間泥棒〉を減らしていくだけ。焦らず急がず、一歩進んで半歩下がるくらいのペースで徐々に修正していきました。数カ月かかりましたが、深夜0時1時が当たり前だった就寝時間を22時台にまで持っていくことが出来ました。
これを記している現在は、内定を頂いた就職先の出勤時間に合わせて21時台に寝るように修正中です。先の成功体験があるので苦ではありません。
例を挙げれば切りがないのでここまでにしておきますが、沢山のアドバイスを私はこの本から受けました。
今これを読んでくださっている方の中に障害特性で悩まれている方がいらっしゃいましたら、試しにこの本を「ぱらぱら」とめくってみてください。
悩みの解消に繋がる良い出会いがきっと有るはずです。