解決のヒント
「ついで」というのは、実は難しい判断ですよね。
指示やマニュアルにはないけど、自分の仕事の範囲であるのか。ついでに良かれと思ってやったら、
「余計なことをして」と怒られてしまう場合もありそうですね。
家事の熟練者のお話では「お皿を洗う」という仕事はお皿を洗って、拭いて、食器棚に戻して、
ついでにキッチンシンクも綺麗にしておくまでを含むのだそうです。でも私も含めて家事の素人は、
「お皿を洗って」と言われたら洗って水切りラックに立てておしまいになってしまいそうですね。
さて、「サーキュレーター」という状況の変化があっても、ご質問者さんが作業の工程を
変えられなかったのには、2つの理由が考えられます。
1つは、ご質問者さんの「頭の中のマニュアル」が完成している状態で、
すぐに変化に対応するのが難しいため。
ASD・ADHDどちらの傾向でも見られることがありますが、
一連の作業を「ひとつのセット(完成品のかたまり)」として捉えるタイプの方がいらっしゃいます。
手順がカチッと頭に入っているため、後から変更や割り込みを加えようとすると、
全体が崩れてしまうような感覚になり、なかなか動けなくなってしまう。
すでにどの機器をどの順番で切るのかがしっかりと固定されているために、
サーキュレーターのことは仕事の対象として意識に入らなかったわけです。
もう1つは、「サーキュレーターも切った方がいいかな?」とまでは気付いたけれど、
判断が出来なかったため。
サーキュレーターの追加という指示にないイレギュラーがあり、指示者からも特に
説明がなかったので判断に困り、安全を取って手を出さない選択をされたのかもしれません。
決まった通りの仕事が出来るようになったところで、ご質問者さんとしては
応用も利かせられるようになって一回り成長したいというお気持ちもあるのではないでしょうか。
しかし、脳のクセによってはどうしても「気付き」が難しい場合もあります。
今回は「気付き」に頼らず「仕組みとルールで解決する」ための2つのアイデアをご紹介します。
1. 「ついで」の判断基準を上司とすり合わせる
「『ついで』に気づこう」とするあまり、本来切ってはいけない重要な電源まで切ってしまうなど、
良かれと思った応用が裏目に出るリスクもあります。
そこで、一度上司に「私はどうもマニュアル人間の傾向があって、新しい機械が増えると判断に迷ってしまいます」
と正直に相談してみましょう。そして、OFFにするスイッチのルールを教えてもらいます。
OFFにする機器の基準、あるいはOFFにしないスイッチを教えてもらえれば、
迷わず適切な判断がしやすくなるでしょう。
2. 変更に強い「カード式手順書」にすぐ追加する
これは初回に気付くのは諦めて、指摘された点を確実に挽回する方法になります。
それは上司から「これも切って」と言われたら、その場で自分のマニュアルを更新する方法です。
おすすめなのが、リングタイプの単語カードを使った「カード式手順書」。
1枚に1か所、OFFにする対象(例:1枚目=空気清浄機)を書き入れます。
これなら、隣にサーキュレーターが増えたと教えてもらった段階で、新しいカードを
1枚差し込むだけで「手順の更新」が完了します。
カード以外にも、付箋に書いてクリアファイルに貼る方法もあります。
こちらも並び替えや追加が自由自在で、便利です。
「自分で気づけなかった」と落ち込む必要はありません。
「言われたらカードを1枚増やす」という仕組みさえ作っておけば、次は絶対に忘れません。
まずは自分で作った手順書を上司に見せて、「これで漏れはないですか?」と
確認しながら進めると、お互いに安心ですよ。
「気は利かないところがあるが、仕事は確実」という信頼も、会社では重要な評価の一つです。
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